【古本】オールドカーのある風景― 師岡宏次写真集 (1984年)

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商品の説明

帯紙はありません。函に使用感(傷み)があります。カバー、ページ内に書き込みなどはありません。1984年発行です。

【書籍説明】
時というものは無限に流れている。その流れの上に社会が建設される。
私がいまその社会のありさまを撮影する。それは流れ去る時間をその瞬間だけ印画紙の上に切りとった感じである。
いま昭和初期の東京の街の写真を見ると、まさにそういう感じがするのである。そして写真という科学の眼の素晴らしい記録性を痛感する。
私は平凡な一人の写真家である。だから、そういう流れ去る社会の中で、何にカメラを向け、何を記録するか、ということも、特別の感覚ではなくて、ごくあたりまえの市井人の眼で、写してきたつもりである。
そして、それらの写真をまとめて数回の個展を開いたり、本書と同じような五冊の写真集などを出版した。
そうしたら、CAR GRAPHIC の編集長小林彰太郎氏は、それらの写真の中に、昔の自動車が生きている姿を読み取ってしまった。私は小林氏の自動車に対する熱意と造詣の深さに敬服した。そして小林氏のすすめで、本書をまとめることになった。写真家の私とすれば、自動車を主とした写真集ならば、もっと自動車を主題とした写真でなくてはならないだろう、と思うのだが、小林氏はこの昔の社会の中に、いろいろの自動車が生きているのがよいのだという。従って、この評価は本書を見て下さった皆様にお委せするよりしかたがない。そういう線で、たくさんある自分の未発表のネガを見直し、自動車のある風景を主体に新しく本書を編集した。本書の写真を撮影したのは、ほとんどがライカを主とする小型カメラである。小型カメラは確かに記録する眼であった。
まとめに際して、私は写真家の立場で一枚ずつの写真にキャプションを書いた。小林氏は自動車に対する解説を書いた。そして別に巻末に一文を添えて花を飾られた。感謝にたえない。
1983年秋師岡宏次

【目次】

船・汽車・飛行機
自動車のある東京
自動車のアラカルト
歴史的な自動車レース
バスは発達する
雨の日雪の日
ジープの時代
随筆
最も市井的な自動車の話師岡宏次
自動車少年のころ小林彰太郎
写真キャプション
師岡宏次(ゴシック体文字)
小林彰太郎 (明朝体文字)